最近ずっとフリーランサーサバイバル系の話ばっかりしてたんだけど──
たまにはちゃんと“ウェブデザイナーらしい話”もしないと、僕が何者かわからなくなるんじゃないか…と思ってね。
というわけで、今日は久々にウェブ制作のお話。いや、ほんとに久しぶり。指がデザイン用語を忘れてないかちょっと心配したくらい。
今回は、大阪デザイン振興プラザ(ODP)のトップページをリニューアルしたので、その裏側を少し紹介するよ。
ユーザーをまず全部洗い出した
リニューアルで最初にやったのは「ODPに来る(来そうな)ユーザーを全部挙げる」こと。
ODPって、名前は聞いたけどよく知らない人から、入所を真剣に検討している企業まで、本当に幅が広い。
具体的には、
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ODPを知らないけど興味がある人
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もっと詳しく知りたい人
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イベントに参加した人
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入所を考えている人
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入所企業を知りたい人
このあたりをまず全部カテゴリ化。
ここが曖昧なままだと、結局“誰に話しかけてるサイトなのか”がわからなくなるから、超重要ポイント。
各ユーザー層の「割合」を考えてページの並びを再設計
ただカテゴリに分けただけではダメで、「どのユーザーが一番多いのか?」も検討して、トップページの構成に反映させた。
結論としては、
イベントを見る人と、入所を考えている人が圧倒的に多い。
なら、そこに最短でアクセスできるように配置するべきだよね、という話。
イベント・入所希望への導線は“ボタン風+情報量も確保”
イベントと入所関連を上部に配置しただけじゃなくて、
ボタン風のデザインで、目的の場所へ迷わず行ける導線にした。
ただ派手なボタンにするだけじゃなくて、クリックする前に“何があるか想像できる”ように、テキスト情報もちゃんと入れた。
情報ゼロのボタンって、押してみるまで意味がわからなくて不安だしね。ユーザーの心理的負荷は減らすべし。
運営の状況変化に合わせて“微調整できる”柔軟性も確保
ユーザーの導線設計自体はしっかりロジックで固めているんだけど、
サイトは公開した瞬間から「運用のフェーズ」に入る。
イベントが一時的に増えたり、キャンペーンが走ったり、
季節で注目ポイントが変わることもあるから、
ユーザーの使いやすさを損なわない範囲で、運営側がバナーの順番を調整できるようにした。
これによって、
“運営の都合を押し付けない設計”を守りながら、
“必要な情報をタイムリーに打ち出せる柔軟性”も担保できる。
見飽きないための、ほんのりアニメーション
ガチャガチャ動くサイトは見てて疲れるけど、
まったく動きがないサイトも、今の時代だと逆に「地味すぎて存在感ゼロ」になる。
だから今回は、
“心地よい”くらいの軽いアニメーションを入れた。
ユーザーのストレスにならず、視線誘導にちょうどよく効くくらいの演出ね。
リニューアルの本質:すべてはユーザー目線
ここまでいろいろ書いたけど、今回のリニューアルの本質はただ一つ。
運営側の都合ではなく、ユーザーの目線から設計されたトップページにしたこと
ウェブサイトは、ユーザーにとって使いやすく、理解しやすく、迷わないものでなければ意味がない。
どれだけ運営側が「これを見てもらいたい!」と思っていても、それがユーザーの行動とズレていたら届かない。
結局、ウェブだけじゃない。“デザイン”って全部そう
これはもう、ウェブサイトに限らず、全部のデザインがそう。
ユーザー目線じゃないものは、デザインとは呼べない。
見せたい人がいて、使う人がいて、その人の行動や感情や目的を考え抜いた結果として、デザインは成り立つ。
逆に言えば、ユーザーのことを考えていないアウトプットは、ただの“装飾”でしかない。
今回のODPリニューアルは、そんな当たり前だけど忘れられがちな“ユーザー視点”を徹底したプロジェクトだった。
久しぶりにウェブデザイナーとしての喜びを思い出したし、やっぱり僕はこういう仕事が好きだな、と改めて感じたよ。

