リンクリエイト | クリエイターに特化したインキュベーション施設 大阪デザイン振興プラザ(ODP)

INCUBATION OFFICE
インキュベーションオフィス入所企業紹介

リンクリエイト

代表者名

内田 里奈

Website

https://r1n9re8.com/

連絡先

EMAIL:monodukurin3@gmail.com

「好きな人やモノを応援したい」「応援の声に応えたい」
今、そんな世の中の機運を強く感じます。
しかし「応援ってなにしたらいいんだろう?」
「より感謝の気持ちを伝えるにはどうすればいいんだろう?」
という疑問がついてまわります。
リンクリエイトでは、そんな「応援したい」「応援に応えたい」人たちを
デザインの力でサポートしたいと考えています。

ロゴマークをはじめとする印刷物主体のグラフィックデザインやグッズ制作、
挿絵等に使用できるイラスト制作を行なっています。

CREATOR’S VOICE
クリエイターズボイス-
入所企業インタビュー

趣味で収集しているという昭和レトロなシャツ姿で現れたのは、リンクリエイト代表の内田里奈さん。今回は、印刷物のグラフィックデザインを中心に、イラストやロゴマークなどのデザインに取り組む内田さんに、起業までのストーリーやODPに入所したきっかけ、顧客に提供する『安心感』の源泉などについて話をうかがった。

グラフィックデザインを通じて「安心感」を提供する

リンクリエイト 内田 里奈 氏

絵描きになるためにデザイナーをめざした日々

広島に生まれた内田さんは、物心がつく頃には「絵を描く仕事をしたい」と考え、中学生になってイラストレーターという職業を知った。
「当時は、子どもながらに『イラストレーターになるには、デザイン事務所で働くグラフィックデザイナーという仕事での下積みが必要なんだ』と認識したんです。それでグラフィックデザイナーをめざしたんです」
工業高校の中にある、美大をめざす人向けのコースに入学し、この進学が未来を決定づけた。
「美大コースなのでデッサンもありました。ただ、MacintoshでPhotoshopやIllustratorを使った授業があって、これが面白くて。先生からもデザイナーの道を勧められたことで、自分の進むべき道は決まったな、と」
高校卒業後、大阪の専門学校に進学してグラフィックデザインを学ぶ。
「大学進学も考えましたが、早く就職して働きたかったので専門学校を選びました」
就職は専門学校生時代からアルバイトをしていたデザイン事務所に決まり、社会人としての人生の船出は順風満帆だった。

安定を求め続けて、たどり着いた「起業」

順風満帆に見えた会社員人生は、波乱万丈だった。まず正社員として就職したデザイン事務所は、メイン顧客であるパチンコ店の規制強化などにより、就職後わずか1年半で倒産してしまった。
「ただ、倒産当時に派遣という形で机を置いていたパチンコ運営会社が『急に内田さんがいなくなるのは困る』と言ってくれて、その会社に転職できることになったんです」
しかし、パチンコ業界全体が不安定な状態の中、もっと安定した環境の中でデザインに没頭したいと考えて家電業界をメイン顧客とするデザイン会社に転職。しかし今度は、東日本大震災の影響で会社が経営危機に陥ってしまい、自身も会社の経営危機の影響によりハードワークを強いられた結果、体調不良になってしまう。
「家電業界メーカー以上に安定した業界を顧客に持つデザイン会社じゃないと安心して仕事ができないと思い転職を決意しました。次に転職したのが自動車業界関連のデザイン会社だったのですが、これもディーラー再編やコロナ禍により経営危機に陥ったんです。この頃からですね、『正社員でも安定が得られないのなら、起業してもいいかな』って」
そこで次はリモートで働ける福祉事業などを営む会社に転職し、パンフレットや販促物を制作することに。同時に副業として、友人や知人からの制作依頼も受注しはじめた。そんな内田さんを起業へと導いたのは、会社のプロジェクトで知り合ったクリエイターだった。
「独立すべきか相談したら『メビックのイベントに参加して、横のつながりを作っておけばいいよ』とアドバイスをくれて、イベントにも連れて行ってくれたんです。そこでODPのスタッフの人と出会い、後日、ODPの施設見学もしました。その後もメビックやODPのイベントに参加して、クリエイターやスタッフとのつながりが広がっていきました」
そして、起業を決意する後押しをしたのもODPだった。
「ODPスタッフから『ひとりで起業するのに最適な一番小さな部屋が空きましたよ』という連絡をいただいたことが、起業を決断する最後のひと押しになりました」
こうしてODP入所が決まり、会社を退職、晴れて独立起業の道を歩み始めることになった。

お客さまの想いを引き出す「コミュニケーション力」が武器

ODPへの入所を決めたのは、入口にあるデザインライブラリーの存在が大きかったという。
「会社員として20年近くデザインの仕事をしてきましたが、どの事務所にも多くの本が置いてあって、いつも本を見ながらアイデア出しをしていたんです。そのせいか、どうしても手元の本が少なくなるリモート勤務の時は、インターネット上の情報を参考にしていたものの、不便を感じていたんです。約3000冊あるというライブラリーの本を自由に見たり使えたりするODPは、最高の環境だと思いました」
メビックやODPを利用して、クリエイターや企業の人たちとのつながりを広げ続ける内田さん。自身の強みを聞くと「話しやすさ」という言葉が返ってきた。
「正直、私はデザイン技術がすば抜けて高いわけではありません。ただ、話しやすいというか、相手が求めることやどこに不安を感じているのかなど、コミュニケーションの中で『想いを引き出す力』が他の人よりもあると思います」
常に「お客さまが欲しいのは、グラフィックデザインじゃない」ことを念頭に置いてヒアリングしているそう。
「お客さまが欲しいのはグラフィックデザインではなく、思っていたことをある程度形にしてもらえるという『安心感』だと思っています。そう思って話を聞いて提案すると、だいたいお客さまが思っていたイメージ、みたいなことが多いですね」

デザインを通じて人とつながり続けたい

今後の展開について聞くと「具体的にこれを作りたい、これをやりたいという思いはあまりないんですよ(笑)」という答え。ただ、デザインそのものに対する興味が尽きることはない、とも。
「デザインしているだけで楽しくて面白いんですよ。だから、デザインにまつわることなら何でもやってみたい。きっと、だいたい楽しいって感じられると思うので(笑)」
ただ、人と人のつながりを今後も増やしていきたいという想いは変わらない、と内田さん。
「人のつながりがなかったら、デザインをする機会もなくなってしまいますから。それに、デザインという共通言語がなかったら話が弾まないじゃないですか(笑)。だから、ずっとデザインの仕事を続けられるように、これからも動き回ってひとりでも多くの人に会いたいですね」

 

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ペーパーサミット2025でスタッフとして参加している様子
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クリエイターズボイス公開日 : 2025.12.26

取材・文 : 株式会社ショートカプチーノ 中 直照