INCUBATION OFFICE
インキュベーションオフィス入所企業紹介

OFFICE ENNICHI

Creative Category

その他

代表者名

高間 俊輔

Website

http://office-ennichi.com/

連絡先

TEL:090-2708-1381

EMAIL:stakama@office-ennichi.com

人を大切にして強い組織を作る!
多様な個性を活かして、強い組織を作る支援を行いたいと考えています。

●インターナルコミュニケーションを推進
 その施策として、ラジオ番組の運営、BGM制作を行います。
●人材育成
 研修やコーチング・人事制度設計など

CREATOR’S VOICE
クリエイターズボイス-
入所企業インタビュー

「社内ラジオ」という言葉をご存知だろうか? 新たな社内コミュニケーション方法としてジワジワと注目を集めている音声メディアで、その制作を事業の柱にするのが、OFFICE ENNICHIの高間俊輔さんだ。クリエイティブ業界とは異なる企業で長くサラリーマンをしていた高間さんが、なぜ独立し、社内ラジオを手掛けることになったのか? そもそも、社内ラジオとは? これまでの道のりやユニークな事業に至った経緯などを伺った。

人事サラリーマンからクリエイターへ
「社内ラジオ」で切り拓く自分の生き方

OFFICE ENNICHI 高間 俊輔 氏

閉塞感の中に希望を見出した病院時代

広島県広島市生まれ。「どちらかと言えば内向的で、本ばかり読んでましたね」と幼少時代を語る高間さん。中学生の頃にブラックミュージックにハマり、高校時代はバンドブームもあってバンドを結成。大阪で過ごした大学時代もレコード屋巡りに勤しむなど、音楽と共に青春時代を過ごしたという。

「幹部候補生って甘い言葉が目に入ったんです(笑)」と、大学卒業後は大阪の医療法人グループで事務系総合職の仕事へ。最初に配属されたのが医療事務の現場だった。「とにかく正確性やスピードが求められ、クリエイティブな部分少ない業務。これが全く合わなくて、とにかく辛かったですね」。我慢を重ねながら、なんとか3年間働いたところで購買部へ異動することに。「病院の買い物をまとめる仕事で、仕事は基本的に価格交渉。毎日がその繰り返しで、やりがいを感じられなかったんです……」と、ここでもモチベーションを見出せぬまま8年。合わせて11年の長い間、悶々と働く日々が続いた。

30代半ばを迎えた高間さんに転機が訪れる。「次の異動で人事部に配属されました。当時、グループ全体で約1300人にまで職員が増えていて、人事制度を刷新するタイミング。プロジェクトメンバーとして刷新に携わりました」。賃金の支払方法の変更、人事考課の仕組み作り、教育制度の導入などに着手。さらには、職員に向けて人事制度をレクチャーする研修講師としても活躍し、仕事の幅も広がった。「この時、はじめて仕事がおもしろいと感じたんです。人事制度の改革は経営に直結します。1300人の人生を背負っている責任を感じたし、自分のスキルを伸ばしている実感もあった。研修講師の仕事が、思いのほか自分に合っていたのも大きいですね。とても大変でしたが、いい経験でした」

しかし、本人の意思とは関係なく、突然降りかかるのが異動というもの。「3年働いたところで、次は庶務課へ移ることになったんです。組織のためには無くてはならない仕事なのですが、人事のようなやりがいが感じられなくて……」。夢中になれる仕事を知っているだけに、どうしても仕事に納得できなかった高間さん。考えた末、14年勤めた病院グループを辞めて転職することを決意する。転職の方向性はやはり人事。今後のキャリアの軸が定まった。

不慮のトラブルが導いた独立への道

その後、人事として2度転職することになるが、後に入社した化学品商社では、病院と同じく人事改革を担当。制度の見直し、採用業務、勤怠管理システムの導入、研修体制の構築などに真正面から取り組んだ。充実を感じながら働いていたが、またもや異動の話が……。「東京への転勤が持ち掛けられました。転勤は了承のうえで入社していたんですが、その時は家庭の事情もあって『今は難しい』と断ったんです」。会社の意向と食い違ってしまった高間さん。あらゆる対話を尽したが意見の折り合いが付かず、会社を去ることになってしまう。

不本意の退職。人生を左右する辛いできごとだが、「背中を押されたのかも知れないと感じたんです」とポジティブだった。それには理由がある。人事の職能を高めるために、キャリアデザインをサポートする「キャリアコンサルタント」の国家資格や、相手の内面にある答えを引き出すコミュニケーション手法「コーチング」のスキルを取得していた。また、ビジネススクールや採用イベントへの参加で、多くのビジネスパーソンと出会って人脈を広げつつもあり、うっすらと独立の道が見えはじめていたからだ。

「そのとき41歳。人生の正午とも言われる年齢でした。サラリーマン人生を振り返ってみて、組織のために十分働いてきました。これからは、自分のために働いてもいいのかなと」。2021年4月1日、OFFICE ENNICHIを開業。組織へ属することのない、第二の人生を歩き始めた。

OFFICE ENNICHIのコンセプトは「組織にまつりを」

経験が生んだ課題解決メソッド「社内ラジオ」

OFFICE ENNICHIの主軸である「社内ラジオ」は、別名「声の社内報」。社長の考えを社員へ伝えたり、社内のコミュニケーションを促進する社内報のラジオ版というべきものだ。このユニークなアイデアに、どうたどり着いたのだろうか? そこには、いくつかのきっかけがある。

1つめが、化学品商社時代に実施した社長ミーティング。「100名足らずの会社なのに、社長の声が社員に届いていませんでした。そこで、少人数で社長と話すミーティングをやってみたんです」。社長の声を直接届ける場を設けたことで、社内コミュニケーションを改善した経験があったこと。

2つめが、2020年4月からはじめたネットラジオ。「知人のネットラジオ番組にゲスト出演したのをきっかけに、自分でも番組を作ってみたらおもしろくて! その後、ポッドキャストで配信をはじめました」。ラジオ制作に必要な経験やノウハウを得ていたこと。

3つめが、趣味の音楽制作。「30代半ばから音楽を作りはじめたんです。毎日1曲作っていたら、ロシアやイギリスからリミックスやアルバム制作のオファーが来るようになって」。ラジオ番組に欠かせない音楽を、プロクオリティで制作できるスキルを持っていたこと。

これらの経験やスキルを1つに融合したものが「社内ラジオ」というわけだ。「トップの考え方や組織が大切にする価値観が、社員に伝わっていない企業って多いんです。それを文字で伝える社内報では、個人の文章能力に大きく依存してしまうし、言葉の受け取り方に個人差もある。でもラジオならば、社長の声を過不足なく、ダイレクトに届けられるんです」。その他にも、音声だと「ながら聞き」ができるため聞いてもらいやすく、紙やWEBの社内報よりも制作労力が少ない点も合理的だと説明する。

また、社内ラジオにおける高間さんの役割は、対象者の思いを引き出すDJ役。そこでは、「コーチング」で培った“傾聴する”スキルを駆使しているそう。「相槌をしっかり打ったり、具体的な質問で掘り下げたり、相手が喋りやすいように導いています。ラジオ番組なので、楽しく聞いてもらえる雰囲気作りにも気を付けていますね」。内面にある思いや言葉を巧みに引き出し、ラジオ番組というカジュアルなパッケージで伝えることで、スムーズに社員へ届き、より深く理解してもらえるのだ。

DJ養成にDJ派遣!? この先に夢見るもの

現在進行形で手掛けている社内ラジオが「リゲッタレイディオ」。大阪市生野区にある靴メーカー・株式会社リゲッタの番組だ。同社社長・高本泰朗さんと高間さんの二人がパーソナリティーとなって、さまざまなコンテンツを届けている。その他の企業では、「テレワークで新入社員が会社に馴染まないという相談を受け、社員一人ひとりにインタビューして、その声を届ける番組も試験運用中。社内ギャップの解消にも活用できるんです」と、さまざまなプロジェクトが進行中。また、ODPに事務所を構えたことで、「他の入所者との交流で人脈も広がりました。実際に社内ラジオを提案に加えてくれる方もいたり」と、新しい動きも起こっているそうだ。

「自分一人でオーダーがさばき切れなくなったときには、DJの養成が必要になる。社内DJを育て、派遣するような、タレント事務所みたいになっているかも(笑)」と、高間さんは未来のビジョンを語ってくれた。企業のコミュニケーション課題を解決するために、全国各地をDJが飛び回り、社内ラジオが流れる未来。きっと日本中の企業にポジティブな空気が満ちているに違いない。

取材の最後、ある質問を投げかけてみた。サラリーマンを辞めて、今どう思っていますか?「できないことを実感することも多いけど、自分で自分の人生を生きているなって。100倍くらいハッピーです」

リゲッタレイディオのイメージイラスト
※「リゲッタレイディオ」は、Spotify、You Tube、Apple Podcastsなどのプラットフォームで配信されています。

クリエイターズボイス公開日 : 2022年1月31日

取材・文 : 眞田 健吾(STUDIO amu)