INCUBATION OFFICE
インキュベーションオフィス入所企業紹介

代表者名

柴田 稔

Website

https://www.kyobashidesign.com

連絡先

TEL:090-7358-0785

EMAIL:shibata@kyobashidesign.com

私は27年間印刷会社で営業デザイン印刷を行いました。印刷に関しては答えられない物はないので何でもご相談ください。
趣味は「釣り」ですが魚は食べられません! 
仕事も釣りもcatch and eat presentの精神で頑張ります!

主に企業様を中心にデザインから印刷発送までを受注しながらHP作成、WEBマーケティング、展示会のブース作成などバリエーションを増やしています。また大阪に限らず全国どこからでも格安でプロの品質を提供する「ダイレクトデザイン」からも受け付けています。

●ダイレクトデザイン(https://directdesign.kyobashidesign.com

CREATOR’S VOICE
クリエイターズボイス-
入所企業インタビュー

グラフィックデザインと印刷物の制作に軸足を置きつつも、web制作や展示会でのブース設営など、企業の情報発信を幅広くサポートする京橋デザイン事務所。現在のスタイルに至った経緯やその背景にある思いについて、代表の柴田稔さんにうかがった。

直接取引ならではの柔軟できめ細かな対応

京橋デザイン事務所 柴田 稔 氏

直接取引ならではの柔軟できめ細かな対応

20231月に京橋デザイン事務所を設立した柴田さん。それ以前は、20年以上にわたって印刷会社で勤めていた。営業職として顧客企業に印刷物の提案を行うほか、自身でデザインを行うグラフィックデザイナーでも在り、社内外のクリエイターを取りまとめるディレクターでもあった。

「自分で作ったものに対して、お客さまが反応してくれるという場面が大好きなんです。だからできる限り自分で手を動かしてものを作りたいし、間に人を介さずお客さまと直接やり取りをしたいと考えていました」

柴田さんの仕事は多彩だ。チラシの制作について相談を受けた際は、「なぜそのチラシが必要なのか」までをヒアリングする。展示会への出展にともなってチラシが必要となっているのであれば、チラシの内容とリンクさせたブースの設計を行う。そして施工会社を手配し、自身で施工監督も務める。さらに、ブースへの集客に向けてランディングページの制作と、そこへの集客を目的としたリスティング広告の運用も提案する。もちろん、実際にページ作ったり広告の出稿を行うのは柴田さんだ。

「お客さまを不安にさせたくないんです。印刷物、web、ブースと発注先が増えれば増えるほど、顧客企業の担当者の負担は大きくなるし、わからないことも増えて不安がふくらみます。発注先同士が『そっちのことは、私たちにはわりません』となってしまい、トラブルに発展してしまうこともあります。それらをすべて回避する方法として、私がワンストップで窓口になり、なおかつ制作まですべて把握するという方法を取っています」

このスタンスを実現するために、柴田さんは「徹底的に勉強する」と言う。勉強の対象は、顧客企業の事業内容や現在までの足取り、業界の動向などはもちろんのこと、社内の組織構成やキーパーソンの担当業務など多岐にわたる。グラフィックデザイン、webデザイン、ブース設計とデザインの領域が広がるにつれて。制作用ソフトの習得も積み重ねてきた。

「まずは無料のデモ版を使い倒す。そして絞り込んだ有料版を購入。ところがなかには思ったような操作ができず、無駄な出費にしてしまったという経験も何度もあります」

このような取り組みが背景にあるからこそ、顧客からの信頼は非常にあつい。付き合いも必然的に長くなる。現在の顧客も、会社員時代から取引のある企業が少なくない。顧客企業の若手社員よりも、柴田さんのほうが会社のことをよく知っているということも珍しくはないそうだ。

「お客さまが何かに取り組むとき、『情報発信については取りえず柴田さんに相談してみろ』と言ってもらえる存在でありたいです。所属している組織こそ異なりますが、自社の一員のように思ってもらえるとありがたいです」

フリーランスとして生きていくヒントをODPで得る

柴田さんには、よく尋ねられる質問が2つあると言う。1つは自身の職種についてだ。前述のようにさまざまな役割を担当しているため、この問いには柴田さん自身も答えに困っており、最近では「もう考えるのをやめました」とのことだ。

もう1つは、「京橋デザイン事務所なのに、なぜ京橋ではなくODPに事務所があるの?」という問いだ。

「自宅が京橋エリアなんです。いつか、愛着のある京橋で事務所を構えたいという思いから、京橋デザイン事務所という名前にしました。この話を聞いて『頑張れよ。応援するよ』と言ってくれるお客さまもいるので、名前と所在地の不一致はメリットにもなっています。それ以外の面でも、ODPに事務所を構えたことは正解だったと感じています」

柴田さんいわく、ODPは「ヒントをもらえる場所」であり、「自分を開放できる場所」だ。ODPには、デザインを核にしながらさまざまな業種や職種で働く人が集まっている。彼ら・彼女らの話しぶりや振る舞いから、「フリーランスとして生きていくとは?」「起業するとは?」を考えるきっかけをもらっているのだ。

「会社員を20年以上していたせいで、時間に縛られて管理されることにすっかり慣れていたんです。成果ではなく時間への対価が報酬だという考えが、無意識のうちに刷り込まれていました。でもフリーランスはまったく違います。そのことに大きな不安があったのですが、ODP入所者の日々の行動を見ているうちに、『これがフリーランスなんだ』『時間ではなく成果がお金になっているんだ』と気持ちを切り替えることができました。会社員体質から解き放たれたと言えます」

ODPではセミナーなども開催されており、仕事に直結する情報を得ることもできる。スタッフが相談に応じてくれるなど、サポートも手厚い。それらを含めて、「不安がいっぱいの創業時にはぴったりな場所。マンションの一室で一人で仕事をするのとはまったく違います」と柴田さんは言う。

メディアをまたいだ情報発信へのニーズは大きい

柴田さんは現在の状況を、「生きてきたなかで一番幸せ」と語る。その理由は、好きなことでチャレンジができているからだ。また、お客さまのために知恵をめぐらせ手を動かし、その結果として喜んでもらえるからだ。

「これからも変わらず、直接取引ができるお客さまの仕事をしていきます。そこは揺らぎません」

印刷会社でのキャリアが長いとあって、印刷物は柴田さんの強みとなっている。しかし「紙からデジタルへ」の流れや低価格を売りにするネット印刷の台頭などがあって、印刷業界全体としては逆風が吹いている。そんななかでも、チャンスは十分にあると柴田さんは考えている。

「以前のように、製品カタログを何十万部も印刷するといったことは確かに減っています。その代わり、少ない部数でたくさんの種類を印刷するという、『多品種小ロット』のニーズはむしろ増えています」

その代表例とも言えるのが、柴田さんも得意とする展示会だ。出展するとなると、「何をPRするか」という議論が始まる。そして、“展示会限定”とも言える少部数ながらも複数種類のチラシの制作が決まる。いっぽう、チラシ用に作成したデザインは若干の調整を加えることでwebサイトへの活用が可能になる。チラシをチラシだけに終わらせず、より多くの情報発信へ活用できるのだ。もちろんこの過程では、展示内容やブースの見せ方を考えるという業務も生まれている。「たくさん印刷することで利益を上げる」という発想に立つと商機は限定されるが、「情報発信をトータルでサポートする」という発想に立つと商機は広がるのだ。

「情報発信の手法が多様になっている今だからこそ、印刷だけにとどまらず、メディアをまたいでデザインやディレクションを担える人の必要性は高まっていると思います。とはいえ、お客さまにとって情報発信は本業ではなくプラスアルファの業務です。専門的な知識を身につけることや、十分な労力を割くことは難しいです。だからこそ、その役割を私が受け持っていきたいです。お客さまと顔を合わせて反応をダイレクトに感じながら、長く信頼関係を築いていくことが目標です」

 

展示会のタペストリー、パネル作成
パンフレットや会社案内、機関誌などの印刷物関係
展示会ブースデザイン・施工まで
施行中の様子

クリエイターズボイス公開日 : 2024年4月30日

取材・文 : ウィルベリーズ 松本 守永 氏